セルロースの酵素分解を促進する新規タンパク質Cip1(Cellulose induced protein 1)の機能解明を行った。Cip1は本菌が生産するLPMO9Aの活性を1.6倍に促進した。これにより,セルラーゼなどの加水分解酵素が作用しやすくなり,セルロース分解を促進していることが推定された。Cip1タンパク質表面のクレフト内に存在する3つのアミノ酸残基が反応促進に必須であり,CBM1の存在により活性促進効果は増加することを明らかにした。Cip1遺伝子破壊株のセルロース分解活性は,親株に比較して12%低下した。しかし,Cip1を添加することで分解活性は回復し,親株を上回るまでに増加した。
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