研究課題/領域番号 |
20K05798
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研究機関 | 沖縄科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
將口 栄一 沖縄科学技術大学院大学, マリンゲノミックスユニット, グループリーダー (90378563)
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研究分担者 |
濱田 麻友子 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (40378584)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アルファプロテオバクテリア / 褐虫藻 / ゲノム / マイコスポリン様アミノ酸 / 遺伝子群の水平伝播 / サンゴの白化 / ビタミン / 二次代謝産物 |
研究実績の概要 |
昨年度までに褐虫藻ゲノム間の比較解析により、褐虫藻種間のインターラクションがサンゴの白化現象を分子レベルで解析していく上で重要であるかもしれないことを示唆する結果を得て、論文として報告することができた。一方で、褐虫藻とバクテリアのインターラクションが褐虫藻の増殖に重要であることが示唆されてきているが、サンゴや褐虫藻に共生するバクテリアは、そのほとんどが16S rRNA遺伝子による多様性の解析にとどまってきた。例えば、我々がゲノムを解読してきた褐虫藻4種の中で、白化に耐性のある褐虫藻Durusdinium trenchiiだけが抗生物質の存在下において増殖することができないことなどから、バクテリアとのインターラクションが重要であることが示唆されている。本研究において、サンゴに共生する褐虫藻4種の培養株に共在しているバクテリアの全ゲノム配列を決定し、公的データベースに登録した。その4種に共通のバクテリアは、培養が難しいとされてきたアルファプロテオバクテリアであった。しかしながら本研究ではその単離培養に成功した。4種のバクテリアのゲノムサイズは、2.9~3.9 Mbであった。2800~3800個の遺伝子をコードしており、褐虫藻が合成できないビタミンの合成遺伝子セットをコードしているなど、褐虫藻とのインターラクションに重要と考えられる遺伝子群の存在を明らかにした。バクテリアゲノムにコードされた遺伝子セットから予測される分子レベルのインターラクションを議論し、論文としてまとめた。本研究で得られた結果は、白化しやすいサンゴに共生し、培養の困難な褐虫藻を単離培養し、解析していく上で役に立つ可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
共生バクテリアのゲノム解析が順調に進み、予想外の結果が得られた。得られた結果を論文としてまとめ、投稿することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
解析してきたゲノム情報を基盤として、サンゴ共生渦鞭毛藻または共生バクテリアが生産する二次代謝産物を同定し、その結果を取りまとめる。代謝産物の機能解析を渦鞭毛藻を用いて解析するための実験系の確立を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究により得られた結果をまとめた論文の一つを投稿したが、公表には至っておらず、その論文の公表に再解析が必要となる可能性があるため。
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