微生物酵素の発現制御の分子メカニズムは、いわばブラックボックスとなっているものが多く、微生物の応用を妨げる一因ともなっている。本研究は、麹菌の転写因子、FlbCを研究ターゲットとして機能解析、構造解析を目指し、まず大腸菌による発現系の構築した。大腸菌1リットル培養当たり12ミリグラムのタンパク質獲得に成功した。結晶化を試みたところ、結晶が得られたが、解析に供するには不十分な質であることが分かった。 一方、精製FlbCが得られたことから、in vitroの解析も進めることが可能となった。ゲルシフト電気泳動解析により、FlbCは特定DNA配列に結合する機能を有していることを確認することができた。
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