光合成生物にとって、鉄はフェレドキシンやシトクロムなど光合成電子伝達担体のコファクターに含まれる重要な微量元素である。本研究では、鉄欠乏ストレスが光合成に与える影響を明らかにすることを目的とした。シアノバクテリアAnabaena sp. PCC 7120の細胞を鉄欠乏条件で培養したところ、増殖が一過的に遅延するがその後回復すること、通常培地での培養ではみられない、クロロフィルのQy帯ピークの位置がシフトしたタンパク質複合体が生成していることが示唆された。このタンパク質複合体を解析するために、同一細胞培養液から光化学系Ⅱ(PSⅡ)標品と光化学系Ⅰ(PSⅠ)標品を同時に精製するシステムを開発した。
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