我々は,デオキシ希少糖 1-deoxy-D-allulose (1d-Alu) が線虫Caenorhabditis elegansの成長を強く阻害することを報告し,1d-Alu が糖代謝に阻害ポイントを持つ抗線虫薬となるとの着想を得た。本研究では,1d-Alu の作用メカニズムを明らかにすることを目的とした。 まず,1d-Aluの合成を行い,1d-Alu処理線虫抽出物のHPLC分析を行った。その結果,1d-Alu は線虫体内に取り込まれており,6-リン酸化物と推定されるピークが検出された。以上から,1d-Aluの生物活性は,その代謝産物による糖代謝阻害によって起きると考えられた。
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