研究課題/領域番号 |
20K05917
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
岡田 由美子 国立医薬品食品衛生研究所, 食品衛生管理部, 室長 (50232137)
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研究分担者 |
鈴木 穂高 茨城大学, 農学部, 教授 (70342904)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 食中毒菌 / 損傷菌 / 培養 |
研究実績の概要 |
近年非加熱殺菌法として注目されている静水圧を用いた高圧処理は損傷菌の発生が起こりやすいとされていることから、通常の細菌培養法では集落を形成せず、その殺菌効果を過大評価する可能性が考えられる。 今年度の研究では、非病原性大腸菌株を用いて高圧処理後の各種選択分離培地上での集落形成性を比較検討した。その結果、非選択分離培地及び選択分離培地のいずれを用いても、37℃培養よりも25℃培養の場合に集落形成性が向上することが示された。選択分離培地は2種を用い、それぞれ選択剤として胆汁酸を同濃度含むものであったが、酵母エキスやグルコースを含む培地の方が高圧処理後の集落形成性が高い結果を示した。 また、保存料等を含む食品として野菜浅漬け類からのListeria monocytogenesの分離を行い、Multi-locus sequence Type(MLST)解析を行った結果、海外で事例が多いST6を含む菌株が同定された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度までの新型コロナウイルス感染症の流行の影響により、令和5年度前半においても他機関における共同実験の実施が困難な状況が続いたため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究で得られたListeria monocytogenes菌株について、それぞれの由来食品の食品製造過程で受ける損傷条件への耐性の比較を行うと共に、令和5年度研究に基づく損傷菌回復条件を用いた定量的解析を行い、損傷の種類と回復機構の関連を調査する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症対策のため令和5年度前半に外部との共同実験ができなかったことから、研究期間を1年延長し、令和6年度に共同実験を行うこととした。
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