本年度は、動態解析・機能解析ともに、これまでに収集された知見のうち、再現性がとられていないデータについては、再現されるか検証した。また、収集されている知見について、詳細を詰められるデータは解析を継続し、成果の緻密化と高度化などを試みた。 まず、昨年度までに報告したGSHとγECの透過性と競合性について、添加濃度を増やすなどの工夫を試みた。その結果、昨年度と同様の結果がえられ、再現することが示された。また、ACEとのドッキングシミュレーションの詳細を明らかにするため、それぞれの熱力学的安定性を解析すると、結合自由エネルギーはγEC の-6.574より、GSHの-8.893の方がより低く、より安定性が高いことが示されました。最後に、経口投与されたrECはまず、腸内細菌叢に曝露されるうえ、近年、腸内細菌叢の変化が様々な生体応答を誘導されることが報告されているため、腸内細菌叢への影響を解析した。その結果、残念ながら、コントロール群に比較して、rEC投与群でおおきな変化は認められず、腸内細菌層へは、よくもわるくも影響しないことが示唆された。
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