研究課題
基盤研究(C)
細胞膜にはナノドメインと呼ばれる、スフィンゴ脂質とステロールを中心とした脂質とタンパク質が集積した特殊な微小領域が点在する。研究代表者はスフィンゴ脂質を改変することにより、ナノドメインが減少したシロイヌナズナ変異体を作出した。その変異体を用いた解析により、シロイヌナズナにおいて病害応答時にナノドメインが活性酸素種の産生を正に制御することを明らかにした。また、植物ナノドメインの簡易的な可視化方法も確立した。
植物分子細胞生物学
ナノドメインは細胞膜に点在する特殊な領域であり、様々なタンパク質の相互作用や活性化の足場となる。本研究により、植物のナノドメインが耐病性タンパク質を制御することにより、免疫に関与することを明らかにした。この結果は、複雑に制御される植物免疫の解明に、細胞膜の視点から貢献するとともに、将来的に耐病性を強化した作物の作出に繋がると期待できる。