高温ストレス下で栽培されたコムギは、小麦粉生地の弾力性が低下し小麦粉品質が低下する。本研究の目的は、高温ストレス下でも小麦粉品質が低下しないコムギの開発とそのメカニズムを解明することである。 スーダンの高温地帯で栽培されている複数のコムギ実用品種の中から、高温ストレス下であっても弾力性に貢献するタンパク質の発現量変動が小さく、通常条件下の場合とほぼ同程度である品種を選抜できた。また、野生種由来の高弾力性をもたらす遺伝子をコムギへ導入できた。さらに、高温ストレス下でも種子形態を維持でき、小麦粉品質への影響が大きいデンプンの量や組成が変動しない系統を見出した。
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