良食味米の生産に主眼が置かれるわが国の田畑輪換体系では、堆厩肥が投入されることは少ない。大豆増収と良食味米栽培の両立のため、N供給量が増えてもN吸収量の上昇しにくい水稲品種を探索した。堆厩肥投入を模するため緩効性肥料を用いて様々なイネ品種をポット栽培し、N供給量とN吸収量の関係を調査した。多N条件でも葉面積と葉面積あたり光合成速度が増加しにくい千葉旭や、野生型より側根数が少ないOsiaa13変異体は、N供給量が増えるとN吸収量が増加した。世界のイネコアコレクションのWRC63とWRC68はN供給量が増えてもN吸収量が増えなかった。しかし、この2品種でもN供給量の増加ととものN濃度は上昇した。
|