植物工場でのパッションフルーツの果実生産を目的に,花蕾発育,葉果比および炭酸ガス環境が着果や果実品質に及ぼす影響が調査された.パッションフルーツの花蕾発育は着果量に大きく影響され,葉果比が低下すると光合成産物や無機成分の供給が不足し発育が停止すると考えられた.また,パッションフルーツの適正葉果比は9であることが明らかとなった.炭酸ガス施用は新梢生育には影響しないが,花芽分化を促進し,着果数を増加させるとともに,果実肥大を促進した.これらのことは,パッションフルーツへの炭酸ガス施用は葉の光合成速度を高め,適正葉果比を低くすることにより,果実生産性を高める可能性があることを示している.
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