本研究は、副梢栽培技術を用いるワイン用ブドウ栽培において、新梢と花穂を切除する時期を調節し、収穫を望む時期に遅らせて温暖化に適応する新たな栽培モデルの構築を目的とした。 ‘マスカット・ベーリーA’および‘カベルネ・ソーヴィニヨン’を用いた複数年にわたる試験において、新梢と花穂を切除する時期に応じて開花、着色、収穫時期を遅らせ、成熟期間の気温を低くすることで果実成分およびワイン成分含有量をコントロールできることが示された。また、副梢栽培により減少する収穫量を増やす整枝方法、副梢上の花穂誘導に影響を及ぼす要因についても併せて検討した。
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