アーウィン種マンゴーは食味・生産性に優れる一方で、登熟が進むにつれ炭疽病に罹りやすく、品質管理が難しいことで知られる。本課題では、化学防御機能に優れたモノテルペンアルコール類の配糖化プロセス(貯蔵経路)に着目し、果実の脆弱性に関わる生理的要因を探ることとした。研究計画を遂行することにより、ゲノム情報および関連遺伝子情報を網羅するとともに、モノテルペンアルコール類の配糖化に特化したUDP-糖転移酵素群の同定を達成した。また、果実におけるモノテルペンアルコール配糖体の合成効率が登熟に連動することを明示し、本事象が配糖化経路よりむしろ、二次代謝系の特性に起因する可能性を見いだした。
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