本研究では、モモの赤色着色に関し、遺伝子レベルでの解析を行った。特に、着色形質の品種間多様性の原因となる遺伝子変異を明らかにした。 モモの中には、赤色色素アントシアニンを合成せず、赤くならない果実や真っ白な花をつけるものがある。照手白、関白など16種類の樹を調査し、そのすべてが、GST遺伝子の4種類の変異のいずれかを有することを見出した。 さらに、モモには、花弁に白い部分と赤い部分が混在する、絞り咲きと呼ばれる花をつける品種がある。源平枝垂、箒桃など3種5本の樹を調査し、上で見出した変異の一つである、GSTに挿入されたトランスポゾンが離脱することで、絞り咲き形質が生まれることが分かった。
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