既知の2つのテトラニンだけでは、ナミハダニが誘導する防御応答が完全に模倣できていなかった。その中で新規に2つのテトラニンを示し、これらがそれぞれ異なる防御応答誘導能を持つことが示され、実際の加害現場では複数のHAMPが協調的に機能していることが示された。これまでの微生物由来MAMPの研究でも複数のMAMPの同時認識に関する知見は無く、実際の加害の現象を理解する上で重要な知見となった。加えてナミハダニの宿主適応にHAMPの発現量の変化があることは、逆に言えば、HAMPによって誘導される防御応答がナミハダニにとって乗り越えるべき障壁であることが示され、本系の応用利用価値を示すことができた。
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