研究課題/領域番号 |
20K06096
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
大澤 剛士 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 准教授 (40554332)
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研究分担者 |
大西 亘 神奈川県立生命の星・地球博物館, 企画情報部, 主任学芸員 (00588270)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 水田生態系 / 植物群集 / 土地利用変化 / 圃場整備 / 自然史資料 / 標本 |
研究成果の概要 |
水田は湿地環境である一方、人間による改変を受けた土地利用形態の一つでもあるため、その由来には様々なものがありうる。本研究は、もともと湿地であった場所に成立した水田は長期的に湿地が維持されている状態に近く、湿地性植物のハビタットとしての質が高いという仮説を検証することを目的として実施した。研究期間を通し1)もともと湿地であった場所に成立している水田は湿地ハビタットとして高い質を持つこと、2)ただし、そういった水田の多くは大面積であるため、農作業の効率化を目指す圃場整備が優先的に行われ、期せずしてハビタットの質を大きく低下させている側面があることが明らかになった。
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自由記述の分野 |
生物多様性情報学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、少なくとも関東において本来的にハビタットとしての質が高い水田は、優先的に圃場整備が行われ、結果的にその質が失われてきた可能性が高いことが示唆された。現在の日本は既に人口減少社会に突入しており、輸入食品の増加等も影響し、農業活動の縮小が進んでいる。他方、地域の生物多様性を保全する必要性が社会的に高まっている。圃場整備は農業活動の効率化を図る上で極めて重要な役割を持つ一方で、湿地ハビタットとしての質を著しく損なう面がある。農作業の近代化を進めるために圃場整備は現在も進められているが、今後もさらに拡大していく必要が本当にあるのか、再検討するべき時期が来ているかもしれない。
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