研究課題/領域番号 |
20K06173
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 東京大学 (2022-2023) 国立研究開発法人森林研究・整備機構 (2020-2021) |
研究代表者 |
秋山 拓也 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (50553723)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 内樹皮 / 外樹皮 / 単離リグニン / ニトロベンゼン酸化 / NMR / MWL |
研究成果の概要 |
針葉樹の内樹皮と外樹皮のリグニンの化学的特徴を木部リグニンと比較した。化学分解法で得られた非縮合型/β-5型/ビフェニル型生成物の量比(モル比)は、スギの木部、内・外樹皮の試料間でほぼ差が見られずほぼ等しかった。また、スギの木部および内樹皮からリグニン(MWL相当)を単離し、それらの1H-NMR、および1H,13C-二次元NMR(HSQC)スペクトルを比較した結果、木部と内樹皮で差異は殆どみられなかった。本研究を通してみられた顕著な相違はリグニンの含量のみであり、内樹皮のKlasonリグニン量は21%と、辺材のそれ(36%)に比べ4割程度低い値を示した。
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自由記述の分野 |
木質化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
樹皮はバイオマス総合利用の観点から重要な木質資源であるが、その構成成分には未解明な部分が多く、木部と比べ化学的特徴の理解が遅れている。国内の針葉樹を代表するスギに関して、木部と樹皮を構成するリグニンは似ており、その高分子を構成する各部分構造の割合はほぼ同じであることが明らかになった。この研究成果は、細胞壁形成時における木化機構の理解へ向けた新たな基礎的知見として学術的意義があり、また、社会的意義としてリグニン利用技術を設計するための基盤的知見を得ることができた。
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