マコンブ微小世代(配偶体)の多くは連続暗期下で3カ月間生存できるが、その後は葉緑体機能の低下と共に活性酸素が生じ、生存率の低下を招いた。また弱光の照射は高生残率を長く維持することから、光照射が配偶体の生残に不可欠であることが分かった。さらに、巨視的世代(胞子体)の生殖器官(子嚢斑)では活性酸素発生のもとケイ素を細胞外に取り込みポリフェノールと架橋を形成する防御機能に富んでいることが示唆された。このことは、子嚢斑はウニの摂食により消化され難く、それを摂餌したウニの消化管内の糞や放出した糞を培養するとコンブ配偶体や幼胞子体が多数出現した事から、胞子体の配偶体の生残性への貢献の一端が明らかになった。
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