水産有用魚介類の摂餌生態は、養殖用餌料/飼料の開発を支える基礎的な知見となる。本研究は、ウチワエビ類をモデルとして、天然での食性を高解像度で理解することを目的としている。漁獲直後のエビから放出された糞粒を採取し、COI遺伝子領域をマーカーとするDNAメタバーコーディング法により、試料内に認められる餌料生物を可能な限り下位の分類群まで同定した。全41個体からバーコーディングの結果を得、複数種の魚類、エビ類、刺胞動物等が検出された。ウチワエビは動きが遅く、海底を匍匐して生活するため、生きた状態のこれらの動物を襲撃するというよりは、海底に沈んだ瀕死個体を見つけて機会的に利用していると推察できる。
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