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2022 年度 実績報告書

音響手法を用いたダム湖の水質悪化要因となるアオコの分布推定手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K06207
研究機関北海道大学

研究代表者

南 憲吏  北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (50793915)

研究分担者 宮下 和士  北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (70301877)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードアオコ / 藍藻類 / 体積後方散乱強度 / 音響計測手法 / 計量魚群探知機
研究実績の概要

藍藻類が異常繁殖した状態であるアオコは、ダム湖の水質悪化の要因となる。本研究は、アオコの分布を空間的かつ定量的に評価することを目指した、音響計測手法を用いたアオコの分布推定手法の開発を目的とする。本研究で実施してきたこれまでの研究により、藍藻類は細胞内にガス胞を有しているため、細胞数と音響反射強度には相関関係があることが明らかとなり、計量魚群探知機を用いたアオコの分布推定の有効性が示された。そこで、最終年度である2022年度は、計量魚群探知機を用いたアオコの分布推定の実証を福島県田村郡三春町の三春ダム湖(さくら湖)の全域を対象に、藍藻類が最も発生している夏季(8月)とその減少がみられる秋季(11月)の二回実施した。推定された藍藻類の分布は、夏季と秋季ともに同じダム湖内でも場所により濃淡がみられ、特に河川流入部において分布が多くなる傾向がみられた。また、秋季よりも夏季で藍藻類が多く、空間的にも広範囲に分布しているという結果であった。夏季や河川流入部において藍藻類が多いという過去の知見と一致する結果であったことから音響手法によるアオコの分布推定の有効性が示された。
以上のように本研究は、ダム湖の水質悪化の要因となるにも関わらずアオコの発生状況を空間的に把握することは困難とされてきたこれまでの課題を音響手法により克服するものである。アオコの空間的な把握はダム湖の水質改善対策に直結する情報であり、藍藻類に関する水質状況を定量的に評価できるものでもある。今後は、藍藻類の時空間的な分布推定とその特徴の解明、魚類などのダム湖内に生息する生物との関係を評価するとともに、本手法をダム湖の水質環境の管理に実装するための計測・解析の自動化に関しても研究を展開する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 福島県さくら湖における計量魚群探知機を用いた藍藻類の音響計測の試み2022

    • 著者名/発表者名
      中森陸・南憲吏・白川北斗・朱妍卉・沖津二朗・大杉奉功・東信行・金相曄・谷田一三・黒田充樹・長岡祥平・佐藤信彦・宮下和士
    • 雑誌名

      Laguna(汽水域研究)

      巻: 29 ページ: 87-98

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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