本研究では、浅場と深場(水深40m)のサンゴを比較し、深場サンゴの熱耐性について明らかにした。深場サンゴの絶対最大温度閾値は低いものの、週積算高水温(DHWs)を用いた差では、深場サンゴは高い熱ストレスにも耐えうることが明らかとなった。また、深場レフュジア仮説のモデルとなるトゲサンゴには遺伝的多様性がみられたが、深度との関連はみられなかった。沖縄とフィリピンのトゲサンゴ間では遺伝的多様性は類似したが、インドネシアではより局所的に高い多様性を示した。さらに、日本とインドネシアに共通の遺伝子型が複数みられたことから、本種の一部が、将来沖縄の温暖化した海で生き残る可能性があることを示唆した。
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