本研究は、必須アミノ酸の代謝物であるカダベリンの初生ヒナの脳と末梢器官における栄養生理学的意義を明らかにすることを目的とした。カダベリンシグナルは脳におけるエネルギー代謝調節を担う神経ペプチドの上流制御因子として作用する一方で、末梢器官ではインスリン/インスリン様成長因子のシグナルを介した骨格筋発達を促す生理活性物質であることが明らかとなった。そして、家禽の種類およびエネルギー状態に伴う血中カダベリン濃度変動について調査したところ、血中カダベリン濃度には種差が存在し、エネルギー状態の過不足に伴って脳と末梢における生理活性作用を調節している可能性が示唆された。
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