アフリカでは、MERSコロナウイルス(MERS-CoV)が存在するにもかかわらず、ヒト中東呼吸器症候群(MERS)の症例は報告されていない。これまでの研究で、エチオピア分離株のSタンパク質を持つ組換えMERS-CoVは、中東分離株のSタンパク質を持つMERS-CoVに比べて、複製速度が遅く、中和されやすいことが示されている。本研究では、エチオピアと中東のMERS-CoVのウイルス特性の違いに関連するSタンパク質のアミノ酸の特定を試みた。その結果、受容体結合ドメインにおける1つのアミノ酸の違いが、中和プロファイルを逆転させるのに十分であることが明らかになった。
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