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2020 年度 実施状況報告書

2パラメータ変動実験で解明する、「3Dゲノムドメイン」のエンハンサー制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 20K06603
研究機関京都大学

研究代表者

辻村 太郎  京都大学, 高等研究院, 特定講師 (90741893)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードエンハンサー / CTCF / クロマチン高次構造
研究実績の概要

本研究の目的は、エンハンサーや、そのエンハンサーと標的遺伝子との相互作用を阻害するCTCFの結合配列に変異導入をすることで、エンハンサーが遺伝子とどのように相互作用をするのかを探るというものである。モデルとして、ヒトiPS細胞におけるMYC遺伝子のスーパーエンハンサーによる発現活性化機構を対象としている。ここでは、MYC遺伝子とスーパーエンハンサーの間にCTCF結合サイトを人為的に複数挿入した系を私自身で構築しており、その細胞株に対してゲノム編集を施していくという計画である。特にスーパーエンハンサーの中にあると考えられる複数のサブエンハンサー領域がどのように相互作用するのかを調べるために、これらの部分欠失をする計画である。
初年度は、本細胞株を構築した前所属機関からの異動直後であり、本細胞株の移設手続きに時間がかかったため、ゲノム編集に進むことができなかった。
一方で、MYCとスーパーエンハンサーが相互作用のさいのクロマチンコンタクトの様子を、新しい方法で解析することに成功した。これまで、このコンタクトの解析には4C法を利用していたが、これでは、MYCとスーパーエンハンサーがコンタクトするときに、複数のサブエンハンサー領域が、遺伝子と同時にコンタクトするのか、それとも独立にコンタクトするのかは明らかにすることができなかった。MC-4Cは1分子ごとに複数のゲノム断片のコンタクトを解析できるのでこれを示すことができる。実際、MC-4CによりMYCがスーパーエンハンサー内複数の領域と同時にコンタクトしている様子を捉えることができた。これはスーパーエンハンサーが遺伝子と相互作用するときに、複数の領域の協調的な作用が働いていることを示唆するものと考えている。しかしながら、この複数の領域が同時にコンタクトしていることが相互作用状態を示すのかは更なる検討が必要であり、次年度以降の課題である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

実験材料とする細胞株の現所属機関への到着に時間がかかり、ゲノム編集が思うように進展しなかったため、その遅れがある。一方で、クロマチン高次構造の解析法としてMC-4C法を新たに導入することができた。これにより、当初の計画以上に質の高い研究が実現できるようになると考えている、次年度以降にゲノム編集解析と組み合わせることで研究を軌道に乗せていく計画としている。

今後の研究の推進方策

当初の計画に従って、スーパーエンハンサーとCTCFに変異導入を加えていく。初年度に実験系を構築できたMC-4C法を適用して解析を進め、遺伝子とエンハンサーの相互作用がどのように制御されるのかについて知見を得る。

次年度使用額が生じた理由

ゲノム編集の実験計画が次年度にずれ込んだため。
次年度使用額となっても、本予算は、当初の予定と変わらず、ゲノム編集に伴う消耗品試薬と細胞培養液に使用される予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Regulation of gene activation by long-range enhancers2021

    • 著者名/発表者名
      Taro Tsujimura
    • 学会等名
      1st ASHBi SignAC Workshop
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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