増殖因子受容体は細胞膜ではなく活性化に伴い生成されるエンドサイトーシス小胞を起点として情報伝達を惹起するとの「情報伝達小胞仮説」が唱えられているが、このような小胞の実態や機能は明らかではなかった。 本研究では、簡便なエンドサイトーシス小胞の単離法を開発してその含有タンパク質を網羅的に同定し、同小胞上に多数の糖代謝関連酵素群が存在することを見出した。さらに増殖因子依存的な糖代謝亢進に同小胞-ミトコンドリア間相互作用が重要であり、細胞の生存に必須であることを明らかにした。 これらは、これまでの「ブドウ糖は細胞膜を通して細胞内に移行し細胞質で代謝される」という教科書モデルを大きく更新するものである
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