本研究では、哺乳動物培養細胞、出芽酵母を用い、細胞内リン脂質恒常性維持機構とその生理的意義について解析を試み、(1)ミトコンドリア由来ホスファチジルエタノールアミンPEが細胞内エネルギーセンサーAMPK/Sfn1の活性を介し、グルコース枯渇時の酵母のG0細胞への分化を制御していること、ミトコンドリア由来PE合成経路がRb1欠損性ヒト乳がん細胞に対する抗がん剤開発の標的となる可能性を見出した。(2)出芽酵母におけるPE合成酵素Psd1の細胞内局在の発現量制御機構を明らかにした。(3)哺乳動物細胞ホスファチジルセリン(PS)合成酵素PSS1の小胞体膜上における膜配向性を明らかにした。
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