動物の胚発生における形態形成の過程では、組織の移動や伸張、収縮、屈曲など様々な運動が起こる。そしてこれらの運動は物理的な力を生み出している。本研究は、アフリカツメガエル胚とマウス胚・子宮組織を用いて、力学的な刺激が細胞によってどのように感受され、応答反応を引き起こすかを、プロテイン・キナーゼを中心に解析したものである。その結果、アフリカツメガエルでもマウスでも、力学刺激にはERKの活性化が起こり、その上流には受容体型チロシン・キナーゼが存在することが明らかになった。また、ERKの力学応答の役割として、上皮細胞のタイトジャンクション・タンパク質ZO-1の局在制御が重要であることが明らかとなった。
|