研究課題/領域番号 |
20K06702
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
町田 泰則 名古屋大学, 理学研究科, 名誉教授 (80175596)
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研究分担者 |
笹部 美知子 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (00454380)
町田 千代子 中部大学, 応用生物学部, 特定教授 (70314060)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | AS2 遺伝子 / 葉の形態形成 / 葉の表裏 / 核小体 / 核小体顆粒 / 核小体ストレス / ribosomal DNA / エピジェネティック制御 |
研究成果の概要 |
シロイヌナズナのASYMMETRIC-LEAVES2 (AS2) 遺伝子は、茎頂部の葉原基形成において、扁平な葉の表・裏の細胞集団のバランスのとれた形成を促し、扁平性獲得に寄与する。AS2タンパク質は、核小体内で特徴的な形態と分布をするAS2顆粒(bodies)を2個形成し、これは葉の扁平性と強く関連している。核小体は、リボソーム形成の主要な場であり、それに関わる因子の変異は、タンパク質合成不全などの核小体ストレスを誘導する。as2変異体では、軽微な核小体ストレス下でも、葉の扁平性は消失し、ストレスが強調された。これは、AS2には核小体ストレスから植物を保護する機能があることを示す。
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自由記述の分野 |
植物分子生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
AS2は、我々が、2002年に世界で初めてシロイヌナズナにおいて報告した遺伝子である。今回、我々は、AS2は、核小体ストレスを防御する因子であるという作業仮説を立てた。このようなタンパク質は、植物では初めてである。動物と酵母には、構造的にAS2と類似しているタンパク質はない。従って今回の成果は新奇性が高いといえる。動物では、p53異常が関わる核小体ストレスは細胞の癌化と関連しているが、植物では、p53と構造的に近いタンパク質は同定されていない。AS2はp53と機能的類似性を示すが、分子的関連性は不明である。またAS2が、植物ウイルスの病徴タンパク質βC1の機能と関連していることは興味深い。
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