本研究では、脊索動物精子の運動を制御するCa2+シグナル系の解析を行った。 まず、ホヤの細胞膜型Ca2+-ATPase (PMCA)は、精巣特異的なスプライスバリアントが存在した 。精子誘引物質はPMCAの種特異的な細胞外配列を認識し、細胞内の精巣特異的配列が精子の活性化と走化性に関与していると思われる 。 また、RNAseq解析によりクサフグの遺伝子発現プロファイルの解析を行った。 結果、62個のCa2+シグナル系遺伝子が精子形成期後期に発現上昇することがわかった。これには多くのグルタミン酸受容体、電位依存性Ca2+チャネル、PMCA、Na+-K+/Ca2+交換体などが含まれていた。
|