本研究は,D-アミノ酸が無脊椎動物に限らず脊椎動物にも広く存在し,普遍的にD-アミノ酸が合成されており,共通する生理機能をもつ可能性を示した。本研究で,多くの動物からアミノ酸ラセマーゼ遺伝子が特定されたことにより,その発現量や,発現時期,酵素機能などの解析,また遺伝子のノックアウトなどによりアミノ酸ラセマーゼ及びD-アミノ酸の生理機能研究が進展することが期待される。また,D-アミノ酸は様々な疾患に関与することも指摘されており,本研究の成果は医療および薬学分野において新たな治療法の開発に寄与する可能性がある。
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