研究課題
基盤研究(C)
琵琶湖には様々な形態を持つ多数の固有のカワニナ類が生息している。しかし、どのような過程を経て琵琶湖のカワニナ類が多様化したのかについては、まだ謎に包まれたままである。本研究では、野外調査と分子遺伝学を組み合わせ、琵琶湖のカワニナ類の種の妥当性の検討と、多様化のメカニズムの解明を目指した。本研究の研究成果により、琵琶湖のカワニナ類の多様性と、種の多様化のメカニズムの一端を明らかにすることができた。
進化生態学
生物はどのようにして多様化してきたのであろうか。長年の疑問にもかかわらず、種多様化のメカニズムはまだ完全には分かっていない。琵琶湖のカワニナ類は、その生物多様化の謎を解くための優れた材料となる可能性がある。何故なら、琵琶湖のカワニナ類は、比較的新しい時代に多様化しただけでなく、多様化が起こった時期の地質的背景も明らかな世界的にも珍しい生物群であるからである。本研究で得られた成果は、琵琶湖のカワニナ類を用いて種多様化のメカニズムを解明するための礎となるという点で高い学術的意義があると考える。