研究課題/領域番号 |
20K06835
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45050:自然人類学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
菊池 泰弘 佐賀大学, 医学部, 講師 (70325596)
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研究分担者 |
荻原 直道 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (70324605)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 中新世 / 化石類人猿 / 椎骨 / 胸郭 / 三次元分析 / 変形除去 / アフリカ / 進化 |
研究成果の概要 |
本研究では、三次元(3D)データを対象として、変形除去を施したオリジナル形状を有するナチョラピテクス・ケリオイの頭側胸椎標本KNM-BG 48094(推定第3~5胸椎)を、三次元幾何学形態測定学を用いて分析・調査した。観察された主な特徴は、横突起が椎体に対して背側に位置し背側外方を向き、その程度は現生のオナガザル類やオマキザル類のものに比べより顕著であった。こういった特徴は弱い脊椎陥入を示唆している。つまり、KNM-BG 48094変形除去モデルは、進化的に胸椎陥入の初期段階を示唆し、ナチョラピテクスの頭側胸椎が現生には見られない独自の特徴を持つことを明らかにした。
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自由記述の分野 |
自然人類学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトの直立二足歩行の獲得は、人類進化史の中で未だ大きな謎として残されている。本研究では、ヒトを含む現生大型類人猿の共通祖先が分岐した前後にあたる約1500万年前のアフリカ・ケニア産化石類人猿「ナチョラピテクス」において、体幹骨の椎骨標本を用いて三次元再構築手法によって脊柱の復元を行い、樹上・地上四足歩行をする霊長類から、それらよりは体幹がより起き上がった状態の類人猿へ、どのような体幹における進化を遂げたのか、1500万年前の化石類人猿にそのきっかけを見出すことができるのかを検証した。
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