研究課題/領域番号 |
20K06912
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
加藤 成樹 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (90443879)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 視床線条体 / 聴覚弁別行動 |
研究実績の概要 |
自然界を生き抜く上で動物は生活環境におけるさまざまな情報を感覚系機能を通じて取得し、生命の危機を乗り越えている。その外界から受ける刺激の受容には大脳皮質のさまざまなsubregionと師匠の入出力関係、またそれを線条体がハブとして統御する重要な役割を担っている。解剖学的報告や近年のコネクトーム解析では、視床に含まれる束傍核(PF)と外側中心核(CL)から線条体へのグルタミン酸投射が、コリン作動性細胞を介して線条体の中型有棘神経細胞 (medium-sized spiny neuron)に連絡していることが明らかになってきた。 本研究では、ラットの視床から背外側前方および後方線条体への入力を逆行性ウイルスベクターによって遺伝子標識し、それぞれの標識回路を選択的に機能操作したモデル動物を用いて聴覚弁別学習課題を実施した。その結果、視床ー背外側前方線条体ネットワークが重要学習獲得に必須の役割を果たすことを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
背外側前方線条体と視床との神経連絡を選択的に経路標識して、その神経機能操作を行なったモデル動物を作出し、聴覚性弁別学習課題を実施した。昨年度は実験動物数が少なかったが、今年度は統計解析にも十分耐えうる数の動物数での実験を行い、データの確からしさを得ることができた。 一方、背外側後方線条体と視床のネットワークには上記に見られる学習行動への寄与はないことも見出した。
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今後の研究の推進方策 |
弁別学習行動中の前背外側線条体および視床における神経活動記録実験の進行と記録データの解析方法を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
行動実験の進行が遅れたことと昨年度に購入した試薬類の使用が想定よりも少なかったため、その購入が少なかったため。
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