島皮質は味覚や摂食行動に関わることが知られているが、島皮質ニューロン群がどのようにその機能を果たしているかについては十分に解明されていない。我々は、マウスの島皮質第5層から皮質下領域への神経回路を詳細に解析し、第5層が異なる投射経路をもつ2つのサブレイヤー(L5aおよびL5b)からなることを発見した。さらに光遺伝学的手法を用いることによって、L5aおよびL5bのニューロン群がそれぞれ渇水時の飲水行動を抑制および促進することを明らかにした。この発見は、動機付け行動のトップダウン調節機構の一端を明らかにしたものであり、摂食障害(過食症・拒食症)や依存症等の治療法開発に重要な示唆を与える。
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