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2021 年度 実施状況報告書

行動選択における状況適応的な記憶シフトの神経回路機構

研究課題

研究課題/領域番号 20K06935
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

雨宮 誠一朗  国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 研究員 (20796015)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード意思決定 / 記憶 / ノルアドレナリン
研究実績の概要

動物は、変化する状況では経験や知識の記憶にもとづいて最適な行動を模索する熟慮的な行動選択を行うが、安定した環境では行動を習慣化させてその記憶にもとづいて行動を繰り返す行動選択を行う。本年度は、逆転学習を用いた行動選択課題を設定し、ノルアドレナリン神経系が習慣的な行動選択から熟慮的な行動選択への移行に関与するのか否かについて検討した。まず、マウスにT型迷路を用いて報酬が獲得できる通路を繰り替えし学習させて選択行動を習慣化させた後、報酬が獲得できる通路を逆転して新たに報酬の獲得できる通路を学習させた。この通路の逆転により、マウスは習慣的な行動選択から熟慮的な行動選択に切り替えることを要求される。通路逆転後の学習中に、ノルアドレナリン神経の活動をDREADD法により抑制しその影響を検討した。その結果、ノルアドレナリン神経活動を抑制したマウスでは、コントロールマウスに比べ、通路逆転後の学習の成績の低下がみられた。
また、本年度はノルアドレナリン神経活動の測定のため、ノルアドレナリンセンサーを使用してノルアドレナリンの変動を測定するファイバーフォトメトリー法を用いた実験系の立ち上げを行った。ウイルスベクターによりノルアドレナリンセンサーを脳内に発現させ、そこに光ファイバーを慢性挿入して、ノルアドレナリンセンサーのシグナルを測定した。これまでに、マウスが自由行動中にノルアドレナリンセンサーのシグナルを測定し、ノルアドレナリンの変動が測定できていることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究で用いる遺伝子改変マウスの供給が十分でない時期があり、データ取得に時間を要したため。

今後の研究の推進方策

ノルアドレナリンの作用する脳領域を検討するため、マウスが課題遂行中に投射先特異的にノルアドレナリン神経の活動の測定と操作を行う。そのために、逆光性ウイルスベクターの投射脳領域への投与によるノルアドレナリン神経の実験操作や、投射脳領域におけるノルアドレナリンシグナルの測定をおこなう。

次年度使用額が生じた理由

昨年度の社会状況にともなう研究活動の自粛期間があったことにより、長期間におよぶ実験の計画の見直しや実験の調整を行ってきた。本年度は、実験準備期間の短縮を目的に可能なものについては所属研究室の既存の設備を代用したため、設備や消耗品の購入を次年度にまわすことができた。執行できなかた予算については次年度に執行する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Locus coeruleus noradrenergic control of schema-based behavior in contingency reversal2022

    • 著者名/発表者名
      Seiichiro Amemiya, Thomas McHugh
    • 学会等名
      第45回日本神経科学大会
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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