前立腺がん由来の細胞と対応する間質細胞との共培養条件下においては,ロイシノスタチンAが間質細胞由来のcomplex Vに作用し,その結果としてIGF-1の分泌を抑制することを明らかにした.すなわち,complex Vは抗がん剤探索における間質,すなわち正常細胞由来の適切な分子標的となりうることが示された. また,ロイシノスタチンAの異常アミノ酸の一つであるAHMODをより単純な構造のアラニンに置換した類縁体(LCS-7)も活性を保持しているが,側鎖構造の大きな変更に伴いcomplex Vとの結合時のペプチド鎖全体のトポロジーがロイシノスタチンAのそれと異なることが示唆された(共同研究).
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