タイ国に生息する海洋生物より発見したレニエラマイシンT(RT)をモチーフとし、本化合物がもつ抗がん活性を保持したままでの構造の簡略化をおこなった。がんの中でも特に発症率と死亡率が増加傾向にある肺がんのうち最も多いタイプである非小細胞肺がんをターゲットとし、合成した化合物群の活性評価を実施した。その結果、DH-25と命名したチアゾール環をもつRTの右半部モデル化合物が、肺がん細胞に対して非常に強力な抗がん活性を示すことを明らかとした。本化合物は、がんの再発や薬剤耐性への関与が指摘されているがん幹細胞にも効果があることが示された。
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