ジアシルグリセロールキナーゼδ(DGKδ)は細胞レベルで筋分化誘導を正に制御するが,筋形成の詳細な機構や個体レベルでのDGKδの骨格筋形成への寄与は分かっていない.本研究においては,筋細胞のDGKδの発現を増加させ,グルコースの取り込みを増加させるミリスチン酸はDGKδ発現依存的に筋形成に重要な役割を担うβ-tubulinの発現を増加させることを示した.さらに,生体レベルでの解析のために作製した骨格筋特異的DGKδ欠損マウスにおいて,1割程度の体重の減少と骨格筋の減少を観察した.さらに,褐色脂肪組織量の減少も観察した.今後,骨格筋及び褐色脂肪組織におけるDGKδの役割を解明していく予定である.
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