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2022 年度 研究成果報告書

新規がん遺伝子候補分子TRB1の新たな発がんメカニズムに基づく抗がん剤の開発基盤

研究課題

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研究課題/領域番号 20K07052
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

林 秀敏  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 教授 (80198853)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードTRB1 / c-Myc / CD44 / ROS / MAX / フェロトーシス / 遺伝子増幅 / がん幹細胞
研究成果の概要

染色体上で代表的がん遺伝子c-Mycの近傍に存在し、多くのがんで高発現しているTRB1はc-Mycの転写反応を正にも負にも増強し、標的遺伝子の発現を制御した。正の制御の場合、TRB1がc-Mycとそのパートナー分子MAXとの結合を増加させるためと推察される。また、TRB1はc-Mycの発現を、c-MycはTRB1の発現をそれぞれ正に制御するなど、緊密なクロストークが観察された。
また、TRB1はスフェア形成能に必要で、がん幹細胞マーカーCD44v8-v10の発現亢進に基づくxCTの安定化とROS消去能の亢進、フェロトーシス抵抗性獲得に寄与し、がん幹細胞の生存維持に寄与していることが示唆された。

自由記述の分野

生物系薬学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究ではc-Mycとのポジティブループのパートナー、がん幹細胞の生存維持作用など、TRB1の新たながん遺伝子としての一端が明らかとなった。c-Mycは多くのがんで高発現し、がんの発生や悪性化に大きく寄与することから、有望な治療標的として期待されてきたが、適切なdruggableな構造モチーフがなく、c-Mycを直接標的とする戦略は難航している。今回明らかにしたTRB1-c-MycのポジティブループのTRB1を標的とすれば、c-Mycの機能を強く低減するとともに、がん細胞死を誘導し、まだ有効なc-Mycやがん幹細胞に対する治療薬のない現在、新たな創薬の標的として有望となると考えられる。

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公開日: 2024-01-30  

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