統合失調症の病態機序を明らかにするために、統合失調症患者から得られた疾患iPS分化神経細胞を用いて、シナプス機能解析を行った。電気生理学的手法の適用により、疾患iPS分化神経細胞では、健常者由来iPS分化神経細胞と比較して、シナプス後電流(mEPSC)の振幅と頻度に異常があることを見出した。興味深いことに、統合失調症多発家系患者では、mEPSCの振幅と頻度が増強しているのに対し、3q29 microdeletion syndrome患者では、mEPSCの振幅と頻度が減少していることが明らかになった。これらの結果は、統合失調症患者においてシナプスレベルで機能異常が生じていることを示唆している。
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