血液中のスフィンゴシン1リン酸(S1P)は、免疫システムに必須の情報伝達物質である。赤血球や血小板、血管内皮細胞は血液中にS1Pを放出している。これらの細胞のうち、赤血球・血小板ではMFSD2BというトランスポーターがS1Pの輸送を担っているが、MFSD2Bの活性制御機構は不明であった。本研究において、MFSD2BのC末端側水溶性ドメインがMFSD2Bの活性を制御することが明らかとなった。血小板から放出されるS1Pは創傷治癒への関与が考えられていることから、MFSD2BのC末端側水溶性ドメインを標的とした創薬により、免疫システムのコントロールや創傷治癒に応用できる可能性がある。
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