WHOはヘビ咬傷被害は年間約2.7百万人、死者14万人という実態を明らかにし、世界的な支援を求めている。ヘビ咬傷治療は、ヘビ毒液を免疫したウマの抗血清投与である。しかし、その治療はアナフィラキシーショックなど致死的副作用および抗血清の価格が高すぎるなどの問題点がある。本研究では代表者が見出したヘビ毒阻害タンパク質を基盤にヒトに対して安全でかつ安価な治療法の提案を目指しており、毒素に対して高い特異性と安定性を持つ阻害物質の創薬基盤研究である。構造学的分子メカニズムの解明は、具体的な創薬デザインを可能とするだけでなく、毒ヘビに関する研究や医学、生物学の分野において重要な貢献となることが期待される。
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