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2022 年度 実施状況報告書

膠芽腫細胞に対するヒ素化合物とブファジエノライド併用の抗腫瘍活性に関する基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K07136
研究機関城西大学

研究代表者

袁 博  城西大学, 薬学部, 教授 (10328552)

研究分担者 岡崎 真理  城西大学, 薬学部, 教授 (50272901)
玄 美燕  城西大学, 薬学部, 助教 (50711751)
菊地 秀与  城西大学, 薬学部, 准教授 (60614055)
宮下 振一  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (60614766)
松崎 広和  城西大学, 薬学部, 助教 (80582238)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード膠芽腫 / ヒ素化合物 / ブファジェノライド / 細胞死 / 細胞周期 / Notchシグナリング / DNAダメージ
研究実績の概要

本年度に、膠芽腫細胞U-87に対する亜ヒ酸ナトリウム(AsIII)、ブファジェノライドのarenobufagin (Areno)およびgamabufotalin (Gama)の併用効果を以下のように比較検討した。
①AsIII、ArenoあるいはGamaのそれぞれは、濃度依存的にU-87細胞の細胞増殖を有意に抑制した。また、それぞれの単独処理より、AsIIIとArenoあるいはGamaの併用は、相乗的にU-87細胞の増殖を抑制した。また、Gamaと比較したところ、Arenoの方がより効率よくAsIIIの増殖抑制効果を増強した。細胞内ヒ素の蓄積量の変動を検討したところ、興味深いことに、Gamaと比較しArenoの共存下は有意に細胞内ヒ素の蓄積量を高めたことから、Arenoがヒ素の細胞内への取り込みに促進することが考えられた。Arenoがヒ素による細胞毒性に関わるトランスポーターへの影響を引き続き検証する。
②AsIIIとArenoの併用での処理を行い、細胞溶解液中のcaspase-8, -9および-3の活性を測定したところ、caspase-8より、caspase-9および-3の活性はより強く誘導されたことから、caspase-9, -3が関わるintrinsic pathwayが薬物に誘導されるアポトーシスに強く関与することが示唆されたほか、ネクローシスの関与も考えられた。
③DNAダメージマーカーであるγH2AXの誘導が観察されたことから、薬物に起因するDNAダメージがG2/Mアレストの誘導に寄与することが考えらえれた。
④オートファジー細胞死およびNotchシグナリングへの阻害は、薬物の併用効果に大きく関与することが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

In vitro実験はほぼ終了し、論文をまとめて科学研究雑誌にすでに掲載されました。また、in vivo実験について、担がんマウスの作成が成功し、薬物を投与したところ、腫瘍組織の増殖に一定の阻害が観察された。現在、詳細な解析を行なっている。研究実績の概要にあったように、in vitroにおいて、Arenoがより効率よくAsIIIの増殖抑制効果を増強するとともに、細胞内ヒ素の蓄積量を高めたことから、Arenoがヒ素による細胞毒性に関わるトランスポーターへの影響を引き続き検証する予定。

今後の研究の推進方策

令和4年度の実験結果を踏まえて、さらに研究を進めていく予定。
現在、U-87細胞の担がんマウスに薬物を投与し、薬物のin vivoの効果について、動物の体重、増殖された腫瘍の重量・サイズについて検討する予定である。また、最終的に動物から全血を採取し、生化学的指標を測定し、薬物の効果を検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

昨今のコロナ感染状況によって、これまで参加を予定していた学会や研究会に参加できなかったので、次年度には学会に参加し、情報を発信したいと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Cytotoxic Effects of Darinaparsin, a Novel Organic Arsenical, against Human Leukemia Cells2023

    • 著者名/発表者名
      Yuan Bo、Kikuchi Hidetomo、Li Jingmei、Kawabata Atsushi、Yao Kozo、Takagi Norio、Okazaki Mari
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 24 ページ: 2282~2282

    • DOI

      10.3390/ijms24032282

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Enhanced Cytotoxic Effects of Arenite in Combination with Active Bufadienolide Compounds against Human Glioblastoma Cell Line U-872022

    • 著者名/発表者名
      Yuan Bo、Li Jingmei、Miyashita Shin-Ich、Kikuchi Hidetomo、Xuan Meiyan、Matsuzaki Hirokazu、Iwata Naohiro、Kamiuchi Shinya、Sunaga Katsuyoshi、Sakamoto Takeshi、Hibino Yasuhide、Okazaki Mari
    • 雑誌名

      Molecules

      巻: 27 ページ: 6577~6577

    • DOI

      10.3390/molecules27196577

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ヒト膠芽腫細胞U-87におけるAsIIIとブファジエノライドの併用による殺細胞効果の増強2023

    • 著者名/発表者名
      袁 博、李 ショウ美、宮下 振一、菊地 秀与、玄 美燕、松﨑 広和、岩田 直洋、神内 伸也、須永 克佳、坂本 武史、日比野 康英、岡﨑 真理
    • 学会等名
      日本薬学会 第143年会

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公開日: 2023-12-25  

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