研究課題/領域番号 |
20K07186
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
百 賢二 昭和大学, 薬学部, 准教授 (30645552)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 院内製剤 / 口腔粘膜炎 / がん化学療法 / 放射線療法 / 有害事象 |
研究実績の概要 |
本研究では、がん患者の口腔粘膜炎の疼痛緩和に用いるインドメタシン噴霧製剤(院内製剤)を改良し、医薬品としての開発を目指すものである。このインドメタシン噴霧製剤は、病院薬剤部内において、調製に約2時間要し、マンパワーの観点から大学病院以外への普及に課題があった。この課題をクリアーすべく、新規インドメタシン口腔適応製剤の開発と市販化を目指し、本研究を実施している。本申請課題に関連する成果として、1)簡便に調製可能なインドメタシン含嗽製剤の開発と臨床応用、2)インドメタシン噴霧製剤のPhaseⅡの成果の報告、3)新規インドメタシン口腔内適応製剤のin vitroの検討及び4)3)で作成した製剤を用いた臨床試験実施に向けたドキュメント作成を行った。具体的な成果として、1)、2)に関し、3報の学術論文として発表を行い、また、3)におけるin vitroの検討ではがん患者が使用しやすい製剤(デザイン)で検討を進めているところである。4)に関しては、昭和大学統括臨床研究センターの支援を得たうえで、昭和大学のPhase1ユニットを用いた健常被験者を対象とした投与試験の実施を目指しているところである。
研究成果1)Yasu T, Momo K et al. J Palliat Med. 2020. 研究成果2)Ono K, Momo K et al. Gan To Kagaku Ryoho. 2020 研究成果3)Nagaoka H, Momo K et al. J Pain Symptom Manage. 2021
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国際誌を含む、原著論文3報を、本申請課題の関連研究成果として発表した。また、研究の実施体制の構築ならびに臨床試験実施にむけたドキュメント作成も順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、インドメタシン噴霧製剤に対する製剤学的検討を進め、口腔粘膜組織への付着性を高めた剤形を用いた臨床試験を実施する。臨床試験において健常被験者における安全性が確保されたのちには、作成した製剤の臨床適応を目指し、まずは院内製剤として昭和大学附属8病院におけるがん患者へ適応する予定である。患者適応は2021年度末を予定している。これらの成果に関しては、2022年度内に学術論文等として発表予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、出張ができなかったこと、また、臨床試験実施の時期が遅くなったため。2021年度は臨床試験実施のための費用に充てる予定である。
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