本研究では、リソソーム膜タンパク質LAPTM4βが抗がん剤耐性に寄与するかについて細胞生物学的アプローチにより検討を行なった。まず、LAPTM4βがリソソームへ正しく輸送されるためにはトランスゴルジネットワークにおいて、アダプタータンパク質Eps15と相互作用する必要があることを明らかにした。また、LAPTM4β過剰発現時には、抗がん剤の一種ドキソルビシンの核内への取り込みが低下したこと、P-糖タンパク質阻害剤であるベラパミル併用時にはその影響が相殺されたことから、LAPTM4βがドキソルビシン取り込みに抑制的に関与し、その機構はP-糖タンパク質と共役していることが示唆された。
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