ヒト食道扁平上皮癌の増殖・進展に係る腫瘍随伴マクロファージ(TAM)の役割を生体内で検証することを目的として、ヒト化マウスにヒト食道扁平上皮癌細胞TE-11を皮下移植した。移植後50日目までのヒト化マウス腫瘍容量は対照に比較して有意に増大した。腫瘍組織の免疫組織化学的解析では、ヒト化マウス移植腫瘍内に多数のヒトCD163免疫活性陽性マクロファージが確認され、これらTAMが骨髄・末梢血単球由来であることが証明された。さらにヒト化マウスでは移植腫瘍内微小血管密度が高い傾向を認めた。以上、ヒト化マウス移植系がヒト食道扁平上皮癌微小環境解析のための良好なin vivoモデルとなる可能性を立証した。
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