研究課題
基盤研究(C)
人工知能画像解析にて既存の遺伝子情報が既知である毛様細胞性星細胞腫(PA)および多形黄色星細胞腫(PXA)を学習データに用いて組織像の学習を行うことで、領域がPAまたはPXAにいずれに近いかを予想するモデルを開発した。実際の遺伝子情報が未知である腫瘍についてはPAのKIAA1549-BRAF融合遺伝子あるいはPXAのBRAF V600E変異のいずれかを検出したものについてモデルを適用して良好な結果を得たが、症例数が少ないため有意な結果あるいは実用に資するには至らなかった。
病理診断学
PAおよびPXAはいずれか特徴的な所見を有していることが知られているが、実際の病理組織診断において類似した組織像で特徴が認識しにくいことも多く、遺伝子情報なしには診断に苦慮することも多いが、これらを人工知能画像解析を用いて画像情報から診断しうるモデルを開発したことで、実際の臨床へのフィードバックあるいは開発経験を生かしてそれ以外の種類の組織像にも対応するモデルを改めて開発するなどの広がりが期待できる結果だった。