本研究で用いたホルマリン固定パラフィン包埋検体のショットガンプロテオミクス法による網羅的解析は、我々のグループ独自の解析手法である。本法によりOCCCの再発・予後を規定する候補因子としてEBP50を見出し、国内外を通じて、OCCCにおけるEBP50発現とその機能解析は殆ど手付かずの状態であり、極めて独自性の高い研究である。小分子化合物等を用いたEBP50シグナル系阻害による新規治療法の分子基盤を築くことができる。特に、本分子を標的とした治療法は、再発例や標準治療に抵抗性を示すOCCCに対しても有効であることが想定され、患者予後改善に著しく貢献できることが期待できる。
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