研究課題
基盤研究(C)
PD-L1高発現リンパ腫検体のターゲットキャプチャーシークエンスのデータと、それらの免疫染色によるPD-L1発現パターンおよびFISH所見を詳細に検討した。ターゲットキャプチャーシークエンスでPD-L1ゲノム構造異常が検出された検体は、FISHでも高率に異常なシグナルパターンが確認された。免疫染色でPD-L1の異常な発現パターンを示す検体では、ほぼ全てにPD-L1ゲノム構造異常が認められた。免疫染色とFISHの結果を組み合わせて検索することで、PD-L1ゲノム構造異常を高率に検出できた。
人体病理学
ゲノム構造異常に伴うPD-L1遺伝子の3´非翻訳領域の変異の検索には、一般的にターゲットキャプチャーシーケンスでの検索が必要となるが、経験やスキルが必要で費用が高く、利用可能な機関が限られる。免疫染色およびFISHはより簡便に行うことができ、検体量の少ない場合でも検索可能なため、ゲノム構造異常に伴うPD-L1遺伝子の3´非翻訳領域の変異の検索に免疫染色とFISHが有用であったことは社会的に意義がある。