研究課題
我々はこれまでにSTK17Aが肝細胞の毛細胆管に局在することを初めて報告し、進行性に小葉間胆管の減少・消失をきたす病態である肝移植後の慢性拒絶反応をきたした患者肝生検において、その発現量が著しく低下し、肝移植後早期から毛細胆管の破壊が進行していることを示した。本課題では、STK17Aを毛細胆管の構造の指標として、肝臓に特異的に発現し、胆汁酸を特異的リガンドとし、かつ免疫細胞上にも存在するS1P2受容体を介した肝細胞内シグナル経路を検討することで、造血幹細胞移植後の移植片対宿主病や肝移植後の慢性拒絶反応を代表とする胆管消失症候群において免疫細胞と毛細胆管の構造破壊の関係の解明を目指した。
3: やや遅れている
3次元培養細胞における毛細胆管の形態変化の指標としてSTK17Aを用いて検討を進めていたが、その発現が安定せず、細胞の染色方法を変更したため。また、新型コロナパンデミックによる試薬の海外取り寄せの遅延が発生していたため。
培養細胞での解析を、肝移植後の慢性拒絶反応を始めとする胆管消失症候群の患者検体を用いて検証していく。S1P2受容体の発現を含め免疫細胞の多重染色を用いて、S1P2受容体を介した肝免疫反応との関係を検討していく。
COVID19による学会のオンライン化のため旅費が不要となったこと、海外取り寄せ試薬の入手が遅延していることが原因で次年度に持ち越した。研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含めて研究を進める。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件)
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